Society 5.0(ソサエティ5.0) 我が国のAI戦略について

2020年09月17日

AIを推進する各国では、政府が様々な戦略を打ち出しています。本記事では、我が国の内閣府が主導するSociety 5.0(ソサエティ 5.0)及び他国の代表的なAI戦略をいくつか紹介していきます。

 

Society 5.0(ソサエティ 5.0)内閣府が主導するAI戦略

2018年、内閣府はSociety 5.0の実現を目標として掲げました。Society 5.0とは(読み方: ソサエティ5.0)、Society 1.0~4.0(狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会)に続く新しい社会を意味します。AIや5Gといった最新技術を活用した便利な社会を実現し、人々が快適に暮らせるようにすることを目的としています。

出典: https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/

Society 5.0の実現にはインクルージョンのための技術が重要とされ、基盤技術としてAIの研究開発及び投資が推進されています。例えば、外国人への被害情報提供に必要な機械翻訳や、新型コロナウイルスの影響で最近普及し始めたテレワーク(会社員の在宅勤務、リモートアルバイト、クラウドソーシングなど)をサポートするようなAI技術です。医療や教育の分野も、リソースが足りない場合は、AIのサポートが必要になります。

 

AI戦略2019

「AI戦略2019」は総合イノベーション戦略推進会議のAI戦略実行会議にて、2019年6月に公表された、AI政策の基本方針です。①人間の尊厳が尊重される社会、②多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(インクルージョン)、③持続性ある社会の3つの基本理念に基づき、「人材」「産業競争力」「技術体系」「国際」の4つの戦略目標が設定されています。総合イノベーション戦略推進会議のAI戦略イノベーションタスクフォースがAI戦略を担っています。

 

経団連

経団連はSociety 5.0に向けて様々な改革を主導している。

出典: https://www.keidanren.or.jp/policy/society5.0.html

また、経団連は「AI活用戦略~AI-Ready社会の実現に向けて」を公表しています。AIはSociety 5.0を実現するうえで中核となる技術なので、AIを活用するための指針として、①産業界ならではの視点からまとめたAI活用原則、②AI-Ready化を進めるためのガイドライン、③個別の産業分野でAI活用を進める際のフレームワークを提案しています。さらに、2019年に閣議決定された「成長戦略実行計画」もSociety 5.0の実現が掲げられており、AIや5G市場の標準化も進めることが期待されています。

 

文部科学省

Society 5.0に対応したAI人材育成のため、工学系教育の改善が進められていて、昨年度は「Society 5.0に対応した高度技術人材育成事業」として、①成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成、②超スマート社会の実現に向けたデータサイエンティスト育成事業、③接続的な産学共同人材育成システム構築事業、の3つの事業に取り組んでいます。

 

経済産業省

Society 5.0を構築するための最大の鍵を第四次産業革命技術(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット)の社会実装とし、Society 5.0実現に向け、「新産業構造ビジョン」を公表しています。

新産業構造ビジョンでは、活用が国の経済成長を牽引する柱の一つになるという共通認識から、先進国各国では国の経済成長戦略の一部にAIの研究戦略が盛り込まれるようになっています。

 

海外のAI戦略

AIを推進する各国では、政府が様々な戦略を打ち出しています。我が国だけでなく、海外のAI戦略も紹介していきます。

 

米国のAI戦略

2016年、①AIに関わる研究開発戦略(The National Artificial Intelligence Research and Development Strategic Plan)、②AIの社会実装の整理(Preparing for the Future of Artificial Intelligence)、③経済的な影響の対応(Artificial Intelligence, Automation, and the Economy)の3つの報告書が発表されました。2018年には「米国産業のためのAIサミット」が開催され、同時に「米国国民のための人工知能」が公表されました。研究開発への優先配分や人材育成、国際的のAI協調などの取り組みが記載されました。2019年、Ai.govのポータルサイトがローンチし、AI研究開発や人材育成における、取り組みが確認できるようになりました。

 

中国のAI戦略

ドイツのIndustry 4.0の影響を受けて作成されたと言われる、「中国製造2025」が2015年に公表されました。こちらは2025年までに中国の製造業発展のロードマップで、重点分野はITをはじめ、ロボットや航空宇宙設備、農業設備などと多岐に渡り、特にAI技術の取り組みを強化するとされている。中国政府は、国家AI実現のためのオープンプラットフォームを担う企業を指定し、プロジェクトとして推進しています: 音声認識のiFLYTEK自動運転のBaidu、顔認識のSenseTime、医療画像認識のTencent、スマートシティのAlibaba。

 

欧州連合(EU)のAI戦略

ドイツのAI戦略: 2018年、ドイツ連邦政府は「AI国家戦略 AI Made In Germany」を公表しました。また、日本のSociety 5.0と似たコンセプトとして、ドイツ連邦政府は「Industry 4.0」を指し進めています。Society 5.0とIndustry 4.0は、技術革新が鍵となるという共通点があり、同義に取り扱われることも見られます。しかし、Society 5.0は社会の仕組みがテーマに掲げられていますが、それに対してIndustry 4.0は、製造業に特化した技術革新に集中されています。

フランスのAI戦略: フィールズ賞受賞の数学者且つ政治家Cedric Villani氏が取りまとめた、フランスのAI戦略に関する調査結果に基づき、AI国家戦略 Intelligence artificielle: faire de la France un leaderが公表されました。2019年、Villani氏は4つのAIセンターを設立されています。

欧州連合(EU)では、加盟国がそれぞれAI戦略を立ててきましたが、2018年以降は全体としてのAI戦略が進められています。2018年、欧州委員会がCoordinated Plan on Artificial Intelligenceを公表し、産学官でAI戦略的共同研究イノベーションアジェンダを策定することとされました。

 

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