ド文系からAI業界に入った、小澤健祐(おざけん)さんを取材

2019年08月20日

最近、AIの話題が連日のようにニュースやソーシャルメディアに登っていますが、皆さんはAIについてどのくらい知っていますか。そして、AIの情報をどこから得てますか。今回は、AIを知り・学び・役立てることができるAIメディア「AINOW」編集部デスクに務めるおざけんさんを取材しました。日々、AI情報のアンテナをどのように張ってるかや、おざけんさんが最近追っているAIトレンドについて詳しくお話を伺いました。

 

おざけんさんの自己紹介

おざけん: 「おざけん」です。よろしくお願いします。

「AINOW」というメディアのデスクをしています。メディアの発信以外にもツイッターでの発信やイベント登壇なども積極的に行っています。

僕は大学時代、法学部でメディア専攻のド文系でした。そして、機械学習とディープラーニングの違いもわからない時に、「AINOW」を提供しているディップ株式会社に入社しました。

それから、AIの知識を身につけるために、とにかく沢山のAI系イベントに参加しました。特に毎月、最終土曜日に開催しているAIのイベント「Machine Learning 15 minutes! 」は専門的なイベントなので、良い刺激を与えてくれました。足りなかった基礎知識は、Webや本で勉強しました

おざけんさんは、昔の自分を思い出すことでAIに詳しくない人に共感でき、専門的なコンセプトを分かりやすく説明する記事を書くことを意識しているとおっしゃっていました。こうして、自分の欠点を強みに変えたのではないのでしょうか。実際に、おざけんさんの記事では専門用語が飛び交うことはなく、専門用語が入っているとしても注釈が付いています。

 

「AINOW」の活動と今後の方針

おざけん: 「今の世の中は、AIのメリット、デメリットを理解して発信できるメディアがそこまで多くないと思います。「AINOW」はAIの良さも悪さも伝えられるメディアであり続けたいです。いま、AIに注目が集まっていますが、定義が曖昧なため、世間一般がAIの正しい理解に追いつけていない状況になっています。だから、AI活用も思うように進みません。

AIの良さだけを話すメディアにはなりたくない。いざとなればAIの悪口も言えるくらいAIのことを素直に見つめるメディアであり続けたい

AI業界では「クライアントがAIのことをちっとも理解していない」というライトニングトークのテーマがとても多いのですが、もしかしたらAIの技術が分かりにくいことも欠点ではないかと思っています。AINOWとして、AIについて幅広く可能性を知っていただくきっかけを作っていきたいと思っています」

小澤さん(おざけん)の写真

 

おざけんさんが最近注目してるAIトレンドの紹介

① エッジAI

おざけん: 「もっとAIの活用を進めていくためには、あらゆるところに導入しやすいAIの開発が必要です。だからこそエッジAIに注目しています。

>エッジAIとは、これまでクラウド上で実行されることが大半であったAIの処理を、現場に近いデバイス(エッジデバイス)で実行させることを意味します。

エッジ側のデバイスは安く、安価で、でも計算能力が高くなければいけないというハードルがあります。エッジAIの技術が、今後どのように発展していくか、とても注目しています」

 

② AI初等教育の義務化

おざけん: 「今年3月、日本国政府が大学生にAI教育を義務化することなどを盛り込んだAI戦略の草案を発表しました。僕はこれに賛成で、国民全体のAI理解の向上に繋がれば良いと思っています。AI教育を義務化し国語や算数と同じくらい、最先端技術の知識が必要だということを政府が示したというのはとても重要です。 全員が数学者になるわけではありませんが、数学は必須教科となっています。

これは、日常生活において数学の知識を活用する場面が少なからずあるからだと思います。AI教育の優先度を上げることはそれと同じように、AIも5教科と同じぐらい大事だよ、と位置付けた第一歩なのです。これからすべての人があらゆる局面でAIに触れる時代がくることは確かです。全員の学生が少なくともAIの最低限のリテラシーや数理の素養にふれる機会を設けることが大事だと僕は思います」

 

③ AI人材

おざけん: 「AI戦略でAIに関連する人材教育にフォーカスが当たって以来、さまざまな報道でも「AI人材」に注目が集まっていると思います。実際、2019年に開催された学会や、6月末のG20でも、「AI人材」をテーマにしたセッションが設けられることも多いです。

しかし、この「AI人材」という言葉が独り歩きしてしまっていて、勘違いからの批判も多い気がしています。

世間ではAIという言葉がありふれています。テレビや映画では、ロボットのようなAIが強調されます。機械学習に関連した事業を展開する会社ではAIは機械学習とほぼ同義です。

AIという曖昧な言葉だけに甘えず、少しでもAIに興味を持ち、自分としての関わり方を見つけられるか否かが今後、重要になってくると思います」

 

AI業界で、おざけんさんが尊敬する人

MatrixFlow代表取締役CEO兼CTOの田本芳文さん

おざけん: 「プログラミング不要のAI構築プラットフォームを提供するMatrixFlow(マトリックスフロー)の田本さんは、ツイッター上でもAI業界を盛り上げています。「データサイエンティストという職を無くすんだ!」などと刺激的なことを敢えてツイートする彼は、マーケティングも上手だし、AI業界を現実的に、客観的に見ながら、その上で抽象的に捉えて展開することも得意なので、スタートアップの社長の中でいま、一番尊敬している方です」

 

株式会社FRONTEOの門前さん

おざけん: 「リーガルテックAIを提供する株式会社FRONTEOの門前さんは、AI業界に入って一番最初に知り合った方です。彼はとにかくAIが大好きでAI企業や研究者のことも色々知っています。さらに、のべ2000人が参加しているAI関連の技術イベント「Machine Learning 15minutes!」を主催しています」

 

東京大学の松尾豊先生

おざけん: 「東京大学の松尾豊先生は、人工知能の研究をしつつ、日本ディープラーニング協会(JDLA)の理事長を勤めています。彼はディープラーニングを盛り上げるために、戦略的にJDLAの人材育成の仕組みを作り、研究者の中で一番影響力を持っている方だと僕は思います」

 

スクエア・エニックスの三宅陽一郎さん

おざけん: 「三宅さんはゲームAIの開発者で、哲学の知見も深くお持ちの方です。彼はスクエア・エニックスで活動しながら、2020年4月開設予定の立教大学大学院の人工知能化学研究科の教授にもなる予定です。三宅さんの絵でわかる人工知能の本は特に初心者の方におすすめします」

 

 

今後、AI業界に就職・転職したい方へのアドバイス

おざけん: 「ひたすら技術に専念したい方は、つべこべ言わずに勉強するべきではないでしょうか!(笑)

勉強法はネットで調べれば、Aidemyさんやキカガクさんなどといろいろな講座だけでなく、おすすめの書籍も簡単に見つけられます。それをコツコツやることですね。また、領域を決めることも大事だと思います。

 

今、領域を決めずに、AIについて「なんとなく」勉強している人が多すぎます!(笑)

 

AI以外の一つの領域を決めると、どんな技術が必要なのか、AIに何を求めるのかがはっきりしてくるのではないでしょうか。僕は就活の相談を受けることがありますが、領域を決めずに、AIについて「なんとなく」な人が多い印象なので、それを具体化していくことが必要です。

就活と同じだと思いますが、AI x(掛ける)何かの部分を決めるということです。それを決めるには、生活の中でさまざまなことを観察する力も大切です。日常生活の中で「こういうところってAIが活用できるんだなあ」と感じられるようにはある程度のAIの知識が必要となりますが、まずはAIをどうやって活用できるかを考えて、そういう会社に入る、という流れもとても良いと思います」

 

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