Le Wagon Tokyoでデータサイエンティストとしてのキャリアスタート

2020年08月24日

機械学習やAIシステムを実装する企業の増加に伴い、様々な分野でデータサイエンティストやデータサイエンスチームに対する需要が高まっています。この傾向は、Eコマースや医療から、輸送や搬送ロボットに至るまで多種多様な業界において明らかになっています。そして、データサイエンティストに対するニーズが高まるにつれ、データサイエンスのスキルを開発するためのしっかりした教育システムが必要になっています。

今回は、企業がデータサイエンティストという職種に何を求めているのか、そして、それらのニーズに教育がどのように対応しているのかについて理解を深めるため、Le Wagon Tokyoを取材いたしました。Le Wagon Tokyoは最近、コーディングやデータ収集からディープラーニングシステムの構築に至るまでデータサイエンスの一連のタスクを取り扱うデータサイエンスブートキャンプの開催を発表しています。

共同創設者のシルヴァン・ピエール氏とデータサイエンスの指導者トルニ・ティエット氏に取材を行い、データサイエンスのツールキットの現状やLe Wagonのコースが生徒の将来のキャリアにどのように役立つのか、そしてデータサイエンス分野における現在の傾向について伺いました。

 

Le Wagonとは

シルヴァンによると、Le Wagonは、実践的なアプローチを用いたプロダクト志向のコーディングブートキャンプです。学生はブートキャンプで、90〜95%の時間をプロダクトの構築に充てます。「私たちの目標は、エンジニアを作り出すことだけではありません。エンジニアになる人が多数学んでいますが、私たちが実際に教えているのは、プロダクトの作り方です」 

2013年にフランスで創設されたLe Wagonは、「技術的なスキルを教えて起業家を生み出す」ことをモットーに始まりました。同社のウェブ開発コースは20カ国以上で教えられ、70カ国の国籍にまたがる8,000人以上の卒業生を輩出しています。最近発表されたデータサイエンスコースは、今年10月12日から日本で開催される予定です。卒業までに、本番環境でデータの収集、保存、クリーニング、変換、予測を行うスキルを伝授することを目指しています。場所、構成、シラバスなどの詳細は、公式ページをご覧ください

 

Le Wagonのデータサイエンスコース

Le Wagonのデータサイエンスブートキャンプは、IT企業のプロのデータサイエンティストやAI研究者と協力し、1年かけて開発されました。

「企業がエンジニアを見つけるのに大変苦労しているのを見れば、このコースに対する需要があることが明らかでした」とシルヴァンは説明します。「でも、ブートキャンプの本当の目玉はツールキットでしょう。データ関連の求人の職務内容を見ると、求められているツールキットはいつもほぼ同じだからです」

このことを念頭に置いて、Le Wagonのデータサイエンスコースが業界標準の言語、ツール、ライブラリを取り扱っていることをシルヴァンは指摘します。つまり、Python、SQLなどのプログラミング言語や機械学習およびディープラーニング用の主要ライブラリscikit-learn、Keras、TensorFlowなどを学習するのです。

「最も重要なのは、できるだけ実用的なアプローチを保つことだと思います。理論を理解するだけでなく、企業にとって実行可能な結論を導き出す方法を知ることが大切です。このブートキャンプは、トピックに関する説明だけにとどまらず、それについて議論し、一緒にやってみて、自分ひとりでもできるようにすることを目標にしています」

トルニも次のように付け加えます。「このブートキャンプは、コーダーやデータサイエンティストとしてのキャリアの一環となる2ヶ月間と考えることができます。ここでは、教えられたことを学ぶというより、教えられたことを自分で適用することが奨励されます。理論を実践することが重要なのです」

 

データサイエンスのキャリアにおける実践的アプローチの重要性

Le Wagonのブートキャンプ体験では、プロダクトの構築と作成に重点が置かれます。データサイエンスでキャリアをスタートしようと考える人の多くが直面する経験不足を補うためには、プロダクトの構築が鍵になるとトルニは説明します。 

「企業は多くの場合、二、三年の経験を求めています。一方、ブートキャンプを終了する生徒の多くは経験が不足しています。だから、履歴書で教育や実務の経験をアピールできる人と競争するのが大変なのは事実です。しかし、経験がない場合でも、競争相手と同じことをやれないわけではありません。追いつくことができるのです」

「ですから、この分野に参入しようとする人にとって、自分のポートフォリオの強みを生かして自分を売り込めることは大きなメリットとなると思います。二年間の経験はないかもしれませんが、ポートフォリオを見せることによってその仕事ができる、つまりプロダクトを構築できることを示せれば、経験不足を補えるかもしれません」

Le Wagonが重視しているのは、ブートキャンプ終了後、採用市場に持っていけるポートフォリオを構築することです。これは、データサイエンス市場とそのニーズに関するLe Wagonの調査結果とも一致しています。

 

データサイエンスの現状

日本のデータサイエンス市場について質問したところ、中小のスタートアップ企業はデータ活用の重要性について十分認識しているものの、包括的なデータサイエンスチームを雇う予算がないことをシルヴァンは指摘しました。

「これらの企業は、同時にいくつかの役割を果たすことができる多才な人を求めています。このことを念頭に置いておくとよいでしょう。また、企業がデータサイエンスに理解のある人を少なくとも一人雇っておく傾向が見られるようです。その役割を満たす人がまだ見つからない企業も多いので、データから実行可能なビジネスインサイトを導き出せるデータサイエンティストに対する需要が高まっています」

これは、同社の採用パートナーの50%以上がデータアナリストやデータサイエンティスト、データエンジニアを求めているというLe Wagonの調査結果とも一致しています。そして、多様な分野にわたる広範なニーズに対応できるよう、特定の専門分野のスキルを開発する前に、まず何でも屋になることがキャリアをスタートする上で強みになると考えられます。

 

データサイエンス分野における傾向

トルニは、機械学習およびAI分野における急速な進歩によって、傾向を把握することが非常に困難になっていることをすぐに指摘しました。「自分の関心のあるトピックによって傾向が異なるので、傾向を捉えようとすると非常に主観的なものになります。でも、私が見たところ、全てが進歩を続けています。特定の業界だけでなく、全てが進歩、発展しています。以前はニッチ分野と考えられていた農業などの分野でも開発が進められています」

また、自身の関心分野として、トルニはコンピュータビジョンの発展を指摘し、写真から3D環境を作成したり、AIを利用して基本的な色と形からリアルな情景を作成したりすることを例に挙げました。トルニは、これらの分野におけるAI開発を、タスクの自動化や簡素化のためのコラボレーションツールとみなしています。

「このような自動化はあらゆる分野で適用できます。だから、これは私だけが関心を持っているトレンドというわけではなく、他の分野でも数限りなく見られますし、最前線で開発が進められているのです」

データサイエンス分野における傾向についてシルヴァンにも尋ねたところ、彼はこの分野へのアクセスのしやすさを挙げました。「たとえ研究者になれない場合でも、データスペシャリストやエンジニア、アナリストにはなれるということがわかってきたのではないでしょうか。つまり、データサイエンスは個人にとっても企業にとっても、よりアクセスしやすいものになってきています。今日、データサイエンスから価値を引き出すために、データ研究者になる必要はありません。社内のデータ担当者は必ずしも機械学習モデルの構築方法を知っている必要はないのです。もちろん、その仕組みについては理解していなければなりません。しかし、現在普及しているツールを使えれば、主に企業データを分析し、企業の意識を分析結果に向けることに長けているだけでよいのです」

 

ライオンブリッジのAI向け教師データサービスについて

当社のAI向け教師データサービス「Lionbridge.ai」では20年以上に渡るAIプロジェクトの実績を持ち、データ作成・アノテーションサービスを提供しております。データサイエンティストや言語学者を含み、100万人のアノテーターが登録されているので、大規模なAIプロジェクトも迅速且つ正確に仕上げます。アノテーターは秘密保持契約に署名することが義務付けられており、データ保護のためにオンサイトスタッフやリモートスタッフを派遣し、アノテーターにお客様ご指定のツールを利用してもらうこともできます。必要に応じて案件に特化した秘密保持契約も作成できるので、データの安全性も保証しております。ご相談・無料トライアルはこちらから。

AI向け教師データの作成やアノテーションサービスを提供し、研究開発をサポートいたします。

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