マスクドアナライズさんに日本のAI事情について取材しました!

2019年11月29日

AI業界ではおなじみのマスクドアナライズさんが先日、Lionbridge AIにいらっしゃいました。マスクドアナライズさんは、IT mediaの特集記事や株式会社FRONTEOが先日開催したAI Business Innovation ForumなどのAIイベントに登壇・参加されています。AIスタートアップから大手企業まで、様々な企業との繋がりを持つマスクドアナライズさんは、2017年9月から自身のTwitterアカウント @maskedanl でAIに関する情報発信を手がけ、多くのフォロワーを集めています。

Twitterで起業家やデータサイエンティストとつながりを持ち、様々なAIスタートアップの支援などもされているマスクドアナライズさんは、AI業界を広く把握されています。さらに、TwitterやWebニュースで新しい導入事例やプレスリリースに欠かさず目を通しています。

今回はマスクドアナライズさんから、AI業界の最新トレンドと将来についてお話を伺いました。

 

AI業界の最近の課題について

マスクド: 「人間の仕事はロボットに奪われてしまうのか」という疑問が、根強く残っています。雇用市場が変化し、人間の仕事内容が変わることがあっても、仕事そのものがなくなることはないかと思います。

最近はゲームやスマホアプリなどの分野でAI導入や活用が見られます。逆に取り組みが全く進まない業種業界もあるので、今後のデジタルトランスフォーメーションに期待したいと思います。

さらに、AIとRPAを組み合わせた導入事例も最近増えています。RPAは業務プロセスにおいて人間が行う単純な事務作業が多い日本固有の事情に適しています。労働人口の減少という問題に対しては、一定の成果が出るソリューションと考えています。

 

成功するAI導入プロジェクトと失敗するAI導入プロジェクトの違い

マスクド: 優秀なデータサイエンティストが精度の高いモデルを開発することは重要ですが、それだけでAI導入プロジェクトは成功しません。まずは具体的かつAIで成果を出しやすい課題において、現実的なKPIを設定する必要があります。また、準備段階におけるデータに対する課題もあります。自社で適切なデータを一定量持っていなければ、新たなデータを収集するなど、準備が必要です。

「データサイエンティストに依頼すれば、後はお任せ」では、AIプロジェクトは失敗に陥ります。ノウハウや経験がないまま、ゼロから大規模なプロジェクトに挑戦をすることは避けたいですね。コミュニケーションロスのせいで、データサイエンティストが構築したモデルが現場のニーズに即していなければ、失敗を招きます。まずは小規模のPoCを行い、ノウハウを積み重ねながらプロジェクトを拡大することをお勧めします。

また、課題に応じたモデルが導入されただけでは、AI導入プロジェクトは終了ではありません。企業の目標は「AIを導入すること」でなく、「AI導入によって業務の効率化などの結果を出すこと」です。費用対効果を分析しつつ、モデルの精度を維持するためにデータを見直すなどの取り組みも必要です。

 

ビッグデータの活用と個人情報保護

AI時代のプライバシー、どうやって保護するべき?

マスクド: 月並みですが、サービスの利用者側は規約を確認して、連携するデータやサービスなども把握する必要があります。現代の生活でクラウドやアプリを全く使わないことは難しいので、信頼できるサービスを選ぶことが大事です。

サービス提供側は、安全性を保証しなければなりませんが、完全な対策は難しいでしょう。大規模な個人情報流出などが発生しない限り、メディアやニュースで大々的に取り上げられることも少ないです。日本国内にデータセンターがあるからといって、安全だとは言い切れません。こうした懸念の払拭には個人情報保護法を含めた、法整備にも注視したいです。個人情報は漏洩だけでなく利用用途も含めた管理が重要です。また、データの活用という観点では、研究目的で活用できる公開データを充実させたり、著作権法改正などの方策も観点になると思います。

また、日本では企業内のセキュリティが個々人への運用ルールに依存しすぎたり、悪い意味で過敏すぎて運用に即していない面もあると思います。一面的にセキュリティばかり重視するのではなく、生産性と両立させることも重視してほしいです。個人情報保護やデータ利用は、中国やアメリカやヨーロッパでも事情が異なるため、日本がどのような方針を取るかが今後のAIやデータの活用に影響するでしょう。

 

AI時代における日本企業の課題

AI時代を生き残るために日本企業が取り組むべき課題とは?

マスクド: 研究開発ではアメリカと中国が先行しているので、真正面から立ち向かうことは難しいでしょう。日本では、AIをどう活かして社会に実装するかを進めたり、製造業など特定分野に特化したほうが勝ち目があると思います。

AIスタートアップが増えている中、技術力や実装力のある会社が生き残り、それらのノウハウを持たない営業力だけの会社が淘汰されるフェーズになってほしいです。能力のない会社に依頼した結果、AI導入プロジェクトが失敗する結末を見ているので、発注するユーザー側も高いリテラシーを持つことが大事です。

2020年のプログラミング義務教育化は、子供がプログラムに触れることで、新たな才能を発掘する機会を作ってくれると思います。現在の大人はプログラミングに対して苦手意識を持っている方も多いですが、今の子供達には早くにコンピュータに触れることで仕組みを理解して、苦手意識をなくすきっかけになってほしいです。プログラミングに向いていなくても、触ってみることでAIを含めたITを利用する側のリテラシーを醸成するきっかけになるでしょう。どんな教師が何の言語をどうやって教えるかなどのカリキュラムについては、今後の課題になると思います。

宣伝になりますが、AIを含めたITリテラシーに関する提言は、私とデータサイエンティストの松本健太郎の共著による書籍「これからのデータサイエンスビジネス」でも提言しています。

本書は、企業でAIだけでなくIT全般に関わる20代から40代前半くらいの中堅社員から管理職のビジネスマンに読んでほしいですね。

 

これからのデータサイエンスビジネス

 

マスクドアナライズさんはAI企業のコンサルティングや営業・PR活動の支援をしています。詳細な内容は、Twitter又はEmail (info@maskedanl.com) よりご相談ください。

 

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